胃が痛かった朝、珈琲がうまかった夜

こんにちは。太郎丸です。

今朝は正直、会社に行きたくありませんでした。

理由ははっきりしています。

先月起きたミスの件で、支配人への報告とフォローが残っていたからです。

休みの日も頭の片隅にずっと残っていて、休み明けの朝になると急に現実味を帯びてきました。

布団の中で、

「何を言われるだろう」

「怒られるかな」

「面倒なことになったら嫌だな」

そんなことばかり考えていました。

おかげで胃が痛い。

久しぶりに、なかなかの重さでした。

人は現実より想像で苦しむ

ホテルに着いてからも気は重いまま。

とはいえ、避けて通れる話ではありません。

意を決して支配人に報告しました。

私は最初に、

「〇〇さんの指導で、このように対応しようと思います」

と伝えました。

すると支配人は少し冷たい表情のまま、

「そうして下さい」

と一言。

終了。

え?

それだけ?

こちらが朝から胃を痛くしていたのに、拍子抜けするほどあっさり終わりました。

もちろんミスそのものは反省しなければなりません。

でも、その瞬間に思いました。

人は現実よりも、想像の中で苦しんでいる時間の方が長いのかもしれないな、と。

ミスの原因を分析してみた

今回のミスは、ロッカーホルダーの取り扱いに関するものでした。

宿泊したお客様がチェックアウトした後もゴルフプレーを続けるケースがあります。

そのお客様はプレーは続けますが、ロッカーはもう使いません。

ところが私は、その返却されたロッカーホルダーを別のお客様に渡してしまいました。

当時は、

「自分の確認不足だ」

と思いました。

でも落ち着いて振り返ると少し違いました。

問題は私の記憶力や注意力だけではなく、仕組みそのものにもありました。

チェックアウト済みのお客様のホルダーと、通常利用できるホルダーの区別がつきにくかったのです。

気をつけるではなく、仕組みを変える

仕事でよく聞く言葉があります。

「今後は気をつけます」

でも私は最近、それだけでは足りないと思うようになりました。

人間は忘れます。

疲れている日もあります。

忙しい時間帯もあります。

だから大事なのは気合いではなく仕組みです。

今回はフロントで話し合い、

「当日チェックアウト予定のお客様から返却されたロッカーホルダーは別カゴに入れ、その日は再利用しない」

というルールを共有しました。

これなら誰が担当しても分かります。

私が休みの日でも回ります。

一人の注意力に頼らない仕組みです。

ミスが増えたのではない。経験が増えた

56歳で未経験の仕事に飛び込んで感じることがあります。

若い頃は、

「ミスをしない人が優秀」

だと思っていました。

でも実際に現場で働いてみると違います。

ベテランの人たちはミスをしたことがないわけではありません。

むしろ、

「こういう時にミスが起きる」

というケースをたくさん知っています。

今回の出来事も、私にとっては一つのケーススタディーになりました。

同じ状況が来たらどうするか。

何を確認するか。

誰に相談するか。

その経験が一つ増えたのです。

夜の珈琲がうまかった

仕事を終えて帰宅しました。

朝あれほど重かった気持ちが嘘のように消えていました。

特別な成功があったわけではありません。

昇給したわけでもありません。

表彰されたわけでもありません。

ただ一つの問題が片付いただけです。

それなのに、夜に飲んだ珈琲が驚くほどおいしかった。

たぶん珈琲の味はいつもと同じです。

違ったのは私の気持ちだったのでしょう。

不安という荷物を一つ下ろしたからです。

人生を立て直すというと、大きな成功を想像しがちです。

でも実際は違うのかもしれません。

胃が痛かった問題が一つ解決する。

昨日より少しだけ前に進む。

そんな小さな積み重ねが人生を変えていく。

今日の私は、そのことを珈琲を飲みながら思いました。

人生は何度でも立て直せる。

そして、その始まりは案外「夜の珈琲が少しうまい」と感じるところにあるのかもしれません。

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