こんにちは。太郎丸です。
50代で未経験の仕事に転職すると、思い知らされることがあります。
若い人たちの成長が、とにかく早い。
最近もそんな場面がありました。
同じように研修を受けている若手のスタッフたちが、次々と仕事を覚えていくのです。
新しいシステム。
複雑な予約内容。
お客様対応。
昨日教わったことを、今日にはもう自分のものにしているように見えます。
その姿を見ながら、
「すごいなあ」
と思う反面、
「自分はまだそこまでできていないな」
と少し落ち込む気持ちもありました。
正直に言えば、焦りです。
20代や30代の頃なら気にならなかったかもしれません。
でも56歳の新人は違います。
覚えるスピードも体力も、若い頃とは同じではありません。
だからこそ、つい比べてしまうのです。
そんな時でした。
総支配人がこんな話をしていました。
「若手には若手の良さがある。でも若手にはないベテランの良さもある。」
私はその言葉に少し救われました。
もちろん、それで急に仕事ができるようになるわけではありません。
覚える量が減るわけでもありません。
それでも心が軽くなったのです。
なぜだろうと考えました。
たぶん私は、若手と同じ土俵で勝負しようとしていたのだと思います。
覚える速さ。
吸収力。
システムへの適応。
そこでは若手にかなわないこともあります。
それは事実です。
でも、だから価値がないわけではありません。
振り返れば、私はこれまで何度も失敗してきました。
教員時代のこともそうです。
うまくいったことより、うまくいかなかったことの方がたくさんあります。
だからこそ、人が困っている時の気持ちが少し分かります。
失敗した人の痛みも分かります。
焦っている人の表情も分かります。
それは若さとは別の財産なのかもしれません。
中国武術の稽古でも似たようなことがあります。
若い頃は力で動けます。
勢いもあります。
でも年齢を重ねると、それだけでは通用しません。
力に頼れなくなるからこそ、無駄を減らし、体の使い方を工夫するようになります。
遠回りに見えても、その積み重ねが後になって生きてきます。
人生も同じなのかもしれません。
若手には若手の武器がある。
ベテランにはベテランの武器がある。
若手になろうとしてもなれません。
56歳を20代に戻すことはできません。
でも56歳だからこそ出せる価値はあります。
最近はそう考えるようにしています。
若手の成長を見ると、今でも焦ります。
すごいなと思います。
羨ましいと思うこともあります。
でも、そのたびに思い出します。
比べる相手は若手ではなく、昨日の自分だと。
昨日より一つ覚えられた。
昨日より一回失敗が減った。
昨日より少し落ち着いて対応できた。
それで十分なのかもしれません。
50代の人生再建は、若い頃のような全力疾走ではありません。
息を整えながら、一歩ずつ前へ進む道です。
若手の速さに焦る日があってもいい。
でも、そのたびに自分の歩幅を思い出したいと思います。
人生は何度でも立て直せる。
人生は何歳からでも立て直せる。
