50代で転職して、
一番つらかったことは何ですか?
そう聞かれたら、
昔の僕なら、
「仕事を覚えることです」
と答えていたと思います。
でも、
今なら少し違う答えになります。
一番つらかったのは、
“自分の居場所がない感じ”
でした。
職場には、
もう空気があります。
人間関係があります。
会話の流れがあります。
暗黙のルールがあります。
そこへ、
56歳の新人が入っていく。
これ、
思った以上に疲れます。
もちろん、
みんな悪い人じゃないんです。
むしろ、
親切にしてくれる人も多い。
でも、
どこか自分だけ、
まだ「外側」にいる感じがある。
休憩室でも、
みんな自然に会話している。
でも僕は、
コーヒーを飲みながら、
タイミングを探している。
入ろうかな。
いや、
やめとこうかな。
そんなことを考えているうちに、
有線の音楽だけが流れている。
50代って、
若い頃みたいに、
勢いだけで輪に入れないんですよね。
変に気を遣うし、
空気も読む。
「年上だから話しかけづらいかな」
なんて、
余計なことまで考える。
しかも、
新人だから、
まだ仕事にも余裕がない。
だから、
家に帰る頃には、
身体より先に、
気疲れしている日もありました。
でも、
そんな中で、
少し救われたこともあります。
ある日、
若手君が缶コーヒーを渡してきて、
「お疲れさまです」
と、
普通に声をかけてくれたんです。
本当に、
ただそれだけ。
でも、
その日は少し気持ちが軽くなりました。
50代になると、
「大きな成功」
より、
こういう小さな優しさの方が、
心に残るのかもしれません。
転職って、
仕事を変えるだけじゃないんですね。
居場所を、
もう一度作り直すことでもある。
だから、
最初はしんどくて当然なんだと思います。
最近は、
無理に馴染もうとしすぎないようにしています。
焦らない。
少しずつでいい。
まずは、
ちゃんと働いて、
ちゃんと帰る。
それくらいで十分。
若い頃みたいに、
「すぐ溶け込まなきゃ」
と思わなくなりました。
すると逆に、
少し楽になった気がします。
50代の転職って、
確かに大変です。
でも、
同じように不器用に頑張っている人も、
案外たくさんいるのかもしれません。
人生は何歳からでも立て直せる。
