「50代 転職活動編」 第7話 50代で転職を繰り返した本当の理由|あの頃の私は焦りの中にいた 

転職回数が増えると、こんなことを考えるようになります。

「自分は我慢が足りないのだろうか」

「また失敗したのだろうか」

私もそうでした。

転職を繰り返していた頃は、自分自身を責めることもありました。

しかし今振り返ると、少し違う景色が見えています。

私は転職を繰り返したかったわけではありませんでした。

ただ、焦っていたのです。

今回は、転職を繰り返した本当の理由について書いてみようと思います。

とにかく働かなければと思っていた

懲戒免職になった直後の私は、とにかく働かなければならないと思っていました。

収入を止めてはいけない。

家族に迷惑をかけてはいけない。

一日でも早く立て直さなければならない。

そんな思いばかりが頭の中をぐるぐる回っていました。

今振り返ると、あの頃の私は冷静ではありませんでした。

もちろん当時はそんな自覚はありません。

むしろ必死に考えているつもりでした。

しかし人生を大きく揺るがす出来事の直後というのは、自分で思っている以上に判断力が落ちるものなのかもしれません。

教員として働く道は閉ざされました。

先の見えない不安の中で、私が最優先にしていたのは「生活を守ること」でした。

だから仕事選びも、

「自分に合っているか」

ではなく、

「今すぐ働けるか」

が基準になっていました。

焦りは視野を狭くする

高級旅館に転職したのも、その一つでした。

月給は高く見えました。

しかし実際には固定残業があり、休憩も十分に取れない環境でした。

パワハラもありました。

長く続けられる職場ではありませんでした。

それでも当時の私は、

「次を探さなければ」

という気持ちでいっぱいでした。

その後も個人営業、法人営業、コールセンター、居酒屋副店長と転職を重ねました。

どの職場でも学びはありました。

営業では断られても前を向く力を学びました。

法人営業では様々な経営者の話を聞くことができました。

接客の仕事ではお客様対応の経験を積みました。

しかし一方で、

固定残業。

パワハラ。

条件の後出し。

転勤問題。

賞与条件の認識違い。

さまざまな問題にも直面しました。

当時の私は、

「なぜこんなに転職が続くのだろう」

と思っていました。

でも今なら少し違う見方ができます。

私は転職を繰り返したかったわけではありません。

ただ焦っていたのです。

焦りは人の視野を狭くします。

本来なら確認するはずのことを見落とします。

本来なら感じる違和感に気付けなくなります。

私もまさにそうでした。

本当に必要だったのは転職先ではなかった

今振り返ると、私は仕事を探しているようでいて、本当は安心を探していたのかもしれません。

収入が欲しかった。

居場所が欲しかった。

もう一度社会の中で役割を持ちたかった。

だから求人票を見ていても、

給料。

休日。

勤務地。

そんな条件ばかりに目が向いていました。

本当に見るべきだったのは、自分自身の心の状態だったのかもしれません。

私は焦っていました。

不安でした。

怖かったのです。

そして、そのことに自分自身が気付いていませんでした。

転職を繰り返したことは無駄ではなかった

だからといって、転職を繰り返したことを後悔しているわけではありません。

あの経験があったからこそ見えたものがあります。

営業の経験も。

接客の経験も。

ホテル業界で働いた経験も。

今の自分を作る大切な材料になっています。

また、転職を繰り返したからこそ、自分の中に共通しているものも見えてきました。

人と関わること。

誰かを支えること。

人を育てること。

振り返ると、どの仕事にもそんな共通点がありました。

当時は気付きませんでした。

ただ必死に働いていただけでした。

けれど後になって振り返ると、自分なりの軸が少しずつ見えてきたのです。

この経験から学んだこと

人生が大きく崩れた直後は、とにかく早く元に戻したくなります。

私もそうでした。

だから一日でも早く仕事を決めようとしていました。

しかし今振り返ると、焦りの中で行う判断は、自分で思っている以上に偏っています。

条件だけを見る。

目先の安心だけを求める。

違和感を見ないようにする。

そんなことが起きやすくなります。

だから私は、大きな出来事の後ほど、自分の心の状態を確認することが大切だと考えるようになりました。

焦っている自分を責める必要はありません。

ただ、「今の自分は焦っているかもしれない」と気付くだけで、見える景色が変わることがあります。

今振り返ると見えていること

今振り返ると、転職を繰り返したこと自体を後悔しているわけではありません。

むしろ、その経験があったから見えたものもあります。

ただ一つだけ、あの頃の自分に伝えたいことがあります。

人生を揺るがす出来事の直後は、思っている以上に判断力が落ちています。

私は懲戒免職の後、自分では冷静なつもりでした。

でも実際には焦りの中にいました。

だから大事な決断ほど、少しだけ時間をかけてほしい。

本当に自分が求めているものは何か。

本当に守りたいものは何か。

自分の心に相談してほしい。

遠回りした私だからこそ、そう思います。

あの頃の僕へ

先が見えなくて不安だよね。

何とかしなければと焦っているよね。

でも大丈夫。

今は遠回りに見える道も、後になれば決して無駄ではなかったと分かる日が来る。

転職を繰り返したことも。

うまくいかなかった職場も。

悔しかった出来事も。

全部が今の自分につながっている。

だから少しだけ肩の力を抜いてほしい。

人生は短距離走ではない。

今日すべてを解決しなくてもいい。

まずは目の前の一日を生きればいい。

その積み重ねが、いつか未来の自分を助けてくれるから。

ああ、人生は、何度でも立て直せる。

何歳からでも立て直せる。

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