転職活動をしていると、求人票の中でどうしても目が行くのが給与です。
私もそうでした。
少しでも条件の良い会社を探していた頃は、「月給〇万円」という数字を見るだけで安心していたことがあります。
でも、今振り返ると、あの頃の私は給与の「金額」ばかりを見て、「中身」を見ていませんでした。
今回お伝えしたいのは、固定残業代が良いか悪いかという話ではありません。
私自身が転職を繰り返す中で経験した、「求人票を見る時の視点」の話です。
もし今、転職活動で少しでも焦る気持ちがあるなら、この話を思い出してもらえたら嬉しいです。
この記事は、「会社見極めチェックリスト」の中でも、「固定残業代」について詳しく解説した内容です。まだお読みでない方は、先に第9話をご覧いただくと、より理解しやすくなります。
▶第9話 転職を繰り返して見えた共通点|最後の転職に近づく会社選びの判断基準
固定残業代があると「条件がいい」と思っていた
私が固定残業代という制度を初めて見た時、正直に言うと悪い印象はありませんでした。
むしろ、
「残業が少ない月でも、この分はもらえるんだ。」
そんなふうに考えていました。
転職活動中は、どうしても早く仕事を決めたいという気持ちがあります。
収入が途切れる不安。
家族への申し訳なさ。
先が見えない焦り。
そんな時に求人票を見ると、少しでも条件が良く見える会社に目が向くのは、ごく自然なことだと思います。
だから当時の私は、固定残業代について深く考えることはありませんでした。
働き始めて初めて気づいたこと
その後、私は居酒屋で副店長として働くことになりました。
その会社では、45時間分の固定残業代が給与に含まれていました。
ある日、仕事が予定より早く終わり、定時で帰ろうとしたことがあります。
すると、上司だったマネージャーから言われました。
「正社員が定時で帰るなんてありえない。」
私は、その言葉に驚きました。
仕事は終わっています。
それでも帰ることはできませんでした。
当時は、
「どうして仕事が終わっているのに帰れないんだろう。」
そう思っていました。
見えている景色が違っていた
今振り返ると、あの時は私と会社とで、同じ制度を見ながら違う景色を見ていたのだと思います。
私から見ると、固定残業代は、
「残業しなくても支給される給与」
という感覚でした。
一方で会社側から見ると、
「一定時間分の残業代を含めた給与体系」
という考え方になります。
もちろん、すべての会社が同じ考え方をするわけではありません。
実際に、固定残業代を導入しながら、働きやすい環境づくりに取り組んでいる会社もあります。
だから私は、
固定残業代がある会社は避けた方がいい。
そんなことを伝えたいのではありません。
私が伝えたいのは、もっと別のことです。
制度ではなく、その会社の文化を見る
同じ制度でも、会社によって運用の仕方は大きく違います。
固定残業代を「給与の仕組み」と考える会社もあれば、
固定残業時間を前提に仕事を組み立てる会社もあります。
求人票だけでは、その違いは分かりません。
だからこそ、制度だけを見るのではなく、
その会社では、実際にどのような働き方をしているのか。
そこまで考えてみることが大切だと、私は経験を通して学びました。
あの頃の私は、そこまで考える余裕がなかった
でも、正直に言うと、当時の私にそんな余裕はありませんでした。
次の仕事を早く決めたい。
生活を立て直したい。
その気持ちで頭がいっぱいだったからです。
だから求人票を見る時も、
「月給はいくらか。」
その数字ばかり見ていました。
もし、あの頃の私に今の自分が声をかけられるなら、
こう伝えると思います。
「給与は金額だけじゃない。中身まで見てごらん。」
それだけでも、転職先を見る目は少し変わるはずだからです。
基本給も、必ず確認してほしい
固定残業代を見る時に、もう一つ忘れてはいけないことがあります。
それは、基本給です。
求人票を見ると、「月給〇万円」という数字が一番大きく書かれています。
転職活動中は、その数字だけを見て安心してしまいがちです。
私もそうでした。
でも、その内訳を見ると、
月給は「基本給」「固定残業代」「各種手当」に分かれていることがあります。
ここで確認してほしいのが、基本給です。
会社によっては、賞与が「基本給○か月分」という計算になっている場合があります。
つまり、月給だけを見るのではなく、その中身まで確認することで、将来受け取る金額の見え方も変わってくることがあります。
もちろん、給与の見方には他にも大切なポイントがあります。
求人票の給与欄の読み方や、面接で確認しておきたい内容については、別の記事で詳しくお話ししたいと思っています。
今回はまず、「月給」という大きな数字だけで判断しないことを覚えておいてください。
転職前に確認しておきたいこと
固定残業代がある求人を見つけた時は、私は今なら次のことを確認します。
✅ 固定残業代は何時間分なのか
✅ 基本給はいくらなのか
✅ 固定残業時間を超えた場合は追加で支給されるのか
✅ 実際の残業時間はどれくらいなのか
✅ 配属予定の部署では、どのような働き方をしているのか
求人票だけでは分からないことは少なくありません。
だからこそ、面接は確認するための時間でもあります。
質問することは失礼ではありません。
これから一緒に働く会社だからこそ、お互いに納得した上で入社することが大切だと、私は考えています。
今振り返ると見えていること
私は転職を繰り返す中で、たくさんの失敗を経験しました。
でも、その失敗の多くは、「知らなかった」ことよりも、「確認する余裕がなかった」ことが原因だったように思います。
生活への不安。
早く働かなければという焦り。
そうした気持ちは、どうしても視野を狭くしてしまいます。
だからこそ今の私は、転職活動では一度立ち止まる時間を大切にしています。
求人票を見る時も、数字だけではなく、その背景を見るようになりました。
制度そのものを疑うのではありません。
その制度を、その会社がどのように運用しているのか。
そこを見ることが、自分に合った会社を見つける第一歩だと感じています。
あの頃の僕へ
あの頃の僕へ。
早く仕事を決めたい気持ちは、痛いほど分かる。
生活のことを考えれば、一日でも早く働きたいと思うよね。
だから、求人票の月給だけを見て、
「ここなら大丈夫かもしれない。」
そう思ってしまう気持ちもよく分かる。
でも、ほんの数分だけでいい。
給与の内訳も見てほしい。
固定残業代は何時間分なのか。
基本給はいくらなのか。
実際には、どのくらい残業があるのか。
その会社では、どんな働き方をしているのか。
焦っている時ほど、その数分が自分を守ってくれる。
転職は、早く決めることが目的ではありません。
自分に合った会社を選ぶこと。
そのための数分なら、決して無駄にはならないはずです。
もし今、同じような状況にいる人がいるなら、このページを求人票と一緒に開いてみてください。
私が遠回りをして気づいたことが、あなたのこれからの転職活動で少しでも役に立てば、それ以上うれしいことはありません。
ああ、人生は、何度でも立て直せる。
何歳からでも立て直せる。
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