【50代転職 攻略編】第5話 転職を急がない勇気|焦るほど判断のミスをしやすい

このシリーズは、転職活動をしていた「あの頃の私」が、一番知りたかったことをまとめています。

「早く決めなければ…」その気持ちが、一番危ない。

「このまま仕事が決まらなかったらどうしよう。」

転職活動を始めると、そんな不安が頭をよぎることがあります。

50代ともなると、その焦りは20代や30代とは少し違います。

生活費のこと、家族のこと、年齢のこと。失業期間が長くなることへの不安もありますし、「もう次はないかもしれない」という気持ちになることもあるでしょう。

だからこそ、一日でも早く転職先を決めたいと思うのは、ごく自然なことです。

私もまったく同じでした。

でも今振り返ると、転職活動の中で一番冷静さを失っていたのは、まさにその「早く決めなければ」と思っていた時期でした。

今日は、「転職を急がない勇気」についてお話しします。


最初に結論です。

今回、一番お伝えしたいことがあります。

焦るほど、人は「自分に合う会社」ではなく、「早く決まる会社」を選びやすくなります。

これは能力の問題ではありません。

人は強い不安を抱えると、「良い判断」よりも「早く安心したい」という気持ちが勝ってしまうからです。

もちろん、生活の事情ですぐに働かなければならない方もいらっしゃいます。

それでも、「焦っている自分」に気づくだけで、判断は大きく変わります。

私は、そのことに転職したあとで気づきました。


私は「転職できれば終わり」だと思っていました。

転職活動をしていた頃の私は、とにかく内定が欲しい一心でした。

求人サイトを見て、応募して、面接を受ける。

頭の中は、その繰り返しです。

「まずは決めること。」

そのことしか考えられませんでした。

ようやく転職先が決まり、「これで一安心だ」と思った日のことは今でも覚えています。

やっと終わった。

これで普通の生活に戻れる。

そんな気持ちでした。

ところが、現実は私が思い描いていたものとは違いました。


転職できたのに、安心できませんでした。

仕事が終わると、真っ先に求人サイトを開いていました。

スマホには転職サイトのアプリがいくつも並び、新着求人の通知が届くたびに内容を確認していました。

休日に出かけていても、気になる求人を見つけると、その場で募集要項を読み始めてしまう。

「もっと条件のいい会社があるかもしれない。」

「今の会社、本当にこのままでいいのかな。」

そんなことばかり考えていました。

転職活動は終わったはずなのに、気持ちはまったく終わっていなかったのです。

今思えば、私は次の転職先を探していたわけではありません。

「この会社で本当に大丈夫なのか。」

その不安を打ち消したくて、求人サイトを開いていたのだと思います。


あの頃の私は、「転職」ではなく「安心」を急いでいました。

当時は気づきませんでした。

でも今なら分かります。

私が急いでいたのは、転職そのものではありませんでした。

本当に欲しかったのは、「安心」だったのです。

だから、一社決まっても安心できない。

また求人サイトを開く。

また比較する。

また迷う。

その繰り返しでした。

焦って決めた転職は、転職したあとまで焦りを連れてきます。

だからこそ、「早く決めること」だけを目標にしてしまうと、転職後も心が落ち着かないことがあります。

私は、その遠回りを経験して初めて気づきました。

転職は、早く終わらせることが目的ではありません。

自分が納得できる選択をすることが、本当のゴールなのだと思います。

読者へのヒント|焦っているときほど、「立ち止まる材料」を持っておく

ここまで読んで、「でも、生活もあるし、そんな悠長なことは言っていられない」と感じた方もいるかもしれません。

その気持ちは、とてもよく分かります。

私も、早く仕事を決めなければという思いでいっぱいでした。

だからこそ、お伝えしたいことがあります。

「急がない」と「何もしない」は違います。

転職活動は続けてください。

求人も見てください。

応募もしてください。

ただ一つだけ、「焦りが判断を代わりにしていないか」を確かめる時間を持ってほしいのです。

人は焦っていると、「この会社が自分に合っているか」よりも、「この会社なら早く決まりそうか」を優先してしまいます。

面接で違和感があっても、「贅沢は言っていられない」と自分に言い聞かせてしまう。

求人票の気になる部分にも、「入ってみないと分からない」と目をつぶってしまう。

私も、そんな場面がありました。

もちろん、実際に働いてみなければ分からないこともあります。

でも、「気になっていたこと」が入社後にそのまま現実になることも少なくありません。

だから私は今、求人票を見るときも、面接を受けるときも、自分の中にこんな問いを持つようになりました。

「私は、この会社を選びたいから応募するのか。それとも、不安から逃げたいだけなのか。」

この問いに正解はありません。

でも、一度立ち止まって考えるだけで、見える景色は変わります。


今日やることは一つだけ

今日やることは一つだけです。

紙でもスマホのメモでも構いません。

「私は今、何を焦っているんだろう?」

この問いに対する答えを、一つだけ書き出してみてください。

「年齢が気になる。」

「収入が途切れるのが怖い。」

「家族に心配をかけたくない。」

「早く安心したい。」

どんな答えでも大丈夫です。

焦りの正体が見えると、不思議なくらい頭の中が整理されます。

そして、「何でもいいから転職したい」という気持ちが、「自分に合う会社を選びたい」という考えに少しずつ変わっていきます。

その小さな変化が、転職活動全体を変えるきっかけになるかもしれません。


まとめ

転職活動では、「早く決めた人」が成功するわけではありません。

「納得して決めた人」のほうが、その後の毎日を前向きに過ごせる可能性は高いと、私は実感しています。

もちろん、人生には急いで決断しなければならない場面もあります。

ですが、焦る気持ちに背中を押されて決めるのと、自分で納得して一歩を踏み出すのとでは、その後の景色は大きく変わります。

私自身、「転職できれば安心できる」と思っていました。

でも、本当に欲しかったのは転職先ではなく、「ここで頑張ってみよう」と思える納得感だったのです。

だから、もし今、焦る気持ちでいっぱいなら、自分を責める必要はありません。

その焦りは、それだけ真剣に人生と向き合っている証拠です。

ただ、その焦りに人生のハンドルまで握らせないでください。

最後に進む方向を決めるのは、焦りではなく、あなた自身であってほしいと思います。

ああ、人生は何度でも立て直せる。
何歳からでも立て直せる。

次回は、私が何度もの転職を通して身につけた「求人票で必ず確認するポイント」をお話しします。

求人票は、ただ仕事内容や給与を見るだけのものではありません。

読み方を少し変えるだけで、見えてくるものがあります。

あなたが安心して働ける職場に出会うために、ぜひ一緒に確認していきましょう。

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