「50代 転職活動編」第11話 人生は何度でも立て直せる|今なら過去の自分に伝えたいこと

懲戒免職になった日のことは、今でもよく覚えています。

あの日の私は、本気で人生が終わったと思っていました。

30年以上続けてきた教員人生。

築いてきた人間関係。

積み上げてきた経験。

そのすべてを失ったような気がしていました。

だから当時の私は、

「元の人生に戻りたい」

と考えていました。

教員だった頃の自分に戻りたい。

以前と同じような生活に戻りたい。

何とかして失ったものを取り戻したい。

そんなことばかり考えていました。

でも今振り返ると、その考え方そのものが私を苦しめていたように思います。

元に戻ろうとすると苦しくなる

転職活動が苦しかった理由は、不採用通知だけではありませんでした。

私はずっと、

「元の人生に戻る方法」

を探していました。

しかし現実には、人生は元には戻りません。

教員を辞めた事実は消えません。

懲戒免職になった事実も消えません。

だから私は、失ったものばかりを見ていました。

ところが転職を繰り返し、

営業を経験し、

接客を経験し、

今の職場で働くようになってから、

少しずつ考え方が変わっていきました。

私は人生を失ったのではありませんでした。

人生のステージが変わっただけだったのです。

教員だった頃の人生を否定しなくてよかった

教員として過ごした30年は、私にとって本当に充実した時間でした。

子どもたちと向き合い、

保護者と関わり、

学級をつくり、

悩みながらも前へ進んできました。

大変なこともたくさんありました。

思うようにいかなかったこともあります。

それでも今振り返ると、あの時間は間違いなく私の人生の大切な一部でした。

以前の私は、

教員を辞めた自分を許せませんでした。

もっとこうしていれば。

あの時違う選択をしていれば。

そんなことばかり考えていました。

でも今は少し違います。

もちろん懲戒免職になったことを良かったとは思いません。

正直に言えば、今でも理不尽だったという思いは残っています。

きっと完全には消えないでしょう。

ただ、それと同時に思うのです。

最後に余計な出来事はあったけれど、あの30年間まで否定する必要はなかったのだと。

あの頃の私は、一生懸命やっていました。

失敗もありました。

未熟な部分もありました。

それでも真剣に生きていました。

だから今は、

「あれはあれで良いステージだった」

と思えるようになりました。

振り返ると、全部つながっていた

教員として過ごした30年。

旅館で学んだおもてなし。

営業で学んだ人との向き合い方。

コールセンターで経験した苦労。

居酒屋で学んだ接客。

そして今のフロント業務。

当時はすべてバラバラに見えていました。

遠回りばかりしているようにも感じていました。

でも今なら分かります。

どの経験も無駄ではありませんでした。

人の話を聞くこと。

相手の立場で考えること。

困っている人を支えること。

振り返ると私はずっと同じことをしていたのです。

職業は変わりました。

肩書きも変わりました。

でも根っこの部分は変わっていませんでした。

「現在を受け入れられるようになった」

今の私はゴルフリゾートのフロントとして働いています。

以前のような不安はありません。

生活も少しずつ落ち着いてきました。

でも不思議なことに、

これが人生のゴールだとも思っていません。

ブログを書いています。

新しい挑戦もしています。

以前の私なら、

「失ったもの」

ばかり数えていました。

でも今は違います。

これから積み上げられるものを楽しみにしています。

転職活動をしていた頃の私は、

未来が真っ暗に見えていました。

しかし実際には違いました。

見えていなかっただけで、その先にもちゃんと道は続いていたのです。

今振り返ると見えていること

人生再建という言葉を使うことがあります。

でも今の私は、少し違う表現の方がしっくりきています。

人生は元に戻すものではない。

人生は次のステージへ移るもの。

そう思っています。

私は教員時代を失ったのではありません。

教員時代という、大切なステージだったのだと思います。

そして転職活動という苦しいトンネルを通り抜け、

今のステージに移りました。

だからもし今、

人生が終わったように感じている人がいたら伝えたいです。

人生は終わっていないかもしれません。

ただ次のステージへ移る途中なのかもしれません。

あの頃の僕へ

人生が終わったと思っているね。

もう元には戻れないと思っているね。

その気持ちはよく分かる。

でも一つだけ伝えたい。

君は壊れたわけじゃない。

人生を失ったわけでもない。

ただ今までいたステージを降りることになっただけなんだ。

今はまだ信じられないだろう。

でもその先には、新しい景色が待っている。

そしていつか振り返った時、

教員だった頃の自分にも、

転職活動で苦しんでいた自分にも、

優しく声をかけられる日が来る。

その日まで焦らなくていい。

一歩ずつでいい。

ああ、人生は、何度でも立て直せる。

何歳からでも立て直せる。

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