転職エージェントを利用するなら、できれば良い担当者に出会いたいですよね。
自分の話をちゃんと聞いてくれる人。
これまでの経験を理解してくれる人。
こちらの希望を聞くだけではなく、「なぜそうしたいのか」まで考えてくれる人。
そんな担当者なら、安心して相談できます。
反対に、自分の話をあまり聞かず、
「この経歴なら、この仕事ですね」
と、求人を紹介され続けたらどうでしょう。
たぶん、転職活動そのものが変わってきます。
どんな求人を見るのか。
自分の経験をどう捉えるのか。
職務経歴書に何を書くのか。
面接で何を伝えるのか。
相談する相手によって、その後の活動が変わることだってあると思います。
だから、できれば良い担当者に出会いたい。
これは、みんな同じですよね。
でも、ここで困るんです。
「じゃあ、どうやったら良い担当者に出会えるの?」
登録する前には、その人が自分に合うかなんて分かりません。
実際に話してみないと分からない。
しかも50代で転職活動をしていると、
「仕事を紹介してもらう立場なんだから、担当者を選ぶなんて贅沢なのかな」
と思ってしまうこともあります。
僕も、最初から担当者を選ぶつもりで転職エージェントを利用したわけではありません。
でも、4社を利用してみて分かりました。
同じ自分の経歴を話しても、
「経歴から仕事を探してくれる人」と、
「自分自身を理解しようとしてくれる人」では、かなり違う。
そこで今回は、転職エージェントそのものの比較ではなく、
「どうすれば、自分に合う担当者に出会いやすくなるのか」
について、僕自身の経験からお話しします。
良い担当者に出会えるかどうかで、転職活動は変わる
転職エージェントに登録すると、担当者がついて相談することになります。
求人を紹介してもらったり、応募書類についてアドバイスを受けたり、面接について相談したり。
ここまでは、どのエージェントでも基本的な流れは同じです。
でも、実際に利用してみると、担当者によってかなり違います。
こちらの話を聞いて、
「それなら、こういう仕事も考えられますね」
と一緒に考えてくれる人もいれば、
経歴を見て、
「この経験なら、この仕事ですね」
と、最初から方向を決めてしまう人もいる。
この違いは、求人の紹介だけにとどまりません。
自分の経験をどう整理するか。
何を強みとして伝えるか。
どんな求人を見るか。
場合によっては、転職活動そのものの方向まで変わってきます。
だから僕は、転職エージェントを選ぶとき、
「どこの会社が一番いいか」
だけではなく、
「誰に相談することになるのか」
も見たほうがいいと思っています。
僕は4社の転職エージェントを利用した
僕自身、転職エージェントを4社利用しました。
3社とはオンラインで面談し、1社には実際に足を運びました。
年収や休日。
希望する職種や業種。
これまでの仕事。
これからやりたいこと。
いろいろな話をしました。
もちろん、求人も紹介してもらいました。
ただ、結果だけを見ると、4社とも転職の決定打にはなりませんでした。
エージェントから紹介された求人で転職が決まったことは、一度もありません。
それでも、4社と話したことは無駄ではありませんでした。
むしろ、その後の転職活動を考えるうえで、かなり大きな意味がありました。
なぜなら、担当者によって、
「自分の経験をどう見てくれるのか」
が違ったからです。
「教員だから教育」だけでは、僕のことは分からない
僕は30年間、教員をしていました。
だから、僕の経歴だけを見れば、
「教育関係の仕事が向いている」
と考えるのは、ある意味当然です。
実際に、
塾。
家庭教師。
塾のフランチャイズのような仕事。
そうした求人を紹介されたこともありました。
もちろん、それが悪いという話ではありません。
30年間の教員経験を見れば、そういう仕事を考えるのは自然です。
でも、僕には教育業界へ戻ることが難しい事情がありました。
だから、
「経歴を見て仕事を当てはめているだけなのではないか」
と感じることがありました。
一方で、別の担当者からは、
「どうして転職することになったのですか?」
「これから、どんな働き方をしたいですか?」
「教員時代に、どんなことをしてきましたか?」
と、もう少し踏み込んで聞かれました。
同じ「教員30年」という経歴でも、そこから見えてくるものは変わります。
僕はここで、
「経歴を見ること」と「その人を見ること」は違うんだな、
と感じました。
僕が「この人は自分を見てくれている」と感じたこと
では、どういう担当者ならいいのでしょうか。
僕は、単純に「話しやすい人」が良い担当者だとは思っていません。
もちろん、話しやすさは大切です。
でも、それだけでは判断できません。
僕が大事だと思うのは、
「こちらが話したことを、その後の提案に反映してくれるか」
です。
例えば、
「勤務地はどこでもいいですか?」
と聞かれたとします。
「どこでもいい」と答えたとしても、
「なぜ、どこでもいいのですか?」
まで考えてくれる人なら、話は変わります。
家族との生活があるのか。
通勤時間に制約があるのか。
とにかく仕事を見つけたいのか。
多少条件が悪くても仕事内容を優先したいのか。
同じ「どこでもいい」でも、理由は人によって違います。
年収についても同じです。
「年収500万円以上」
という条件だけを聞けば、
「500万円以上の求人を探します」
で終わります。
でも、
「なぜ500万円が必要なのですか?」
と聞いてくれれば、その人が本当に必要としている条件が見えてくるかもしれません。
僕が思う「自分を見てくれる担当者」は、こういうところが違います。
良い担当者かどうかは、質問の数では分からない
ここは少し注意が必要です。
質問をたくさんしてくれたから、良い担当者とは限りません。
質問だけなら、誰でもできます。
大切なのは、
「聞いたことをどう使っているか」
だと思います。
こちらの話を聞く。
↓
その内容を整理する。
↓
それを求人やアドバイスに反映する。
この流れがあるかどうかです。
例えば、
「人と接する仕事がしたい」
と伝えたとします。
そこで接客の求人を何件も紹介するだけなら、まだ十分ではありません。
「なぜ人と接する仕事がしたいのか」
「これまで人と接する仕事で何をしてきたのか」
「その経験の中で何が得意なのか」
まで掘り下げてくれれば、自分でも気づいていなかった強みが見えてくる可能性があります。
僕自身、教員時代に普通にやっていたことを、
「それは強みになります」
と言われて、初めて気づいた経験があります。
だからこそ、担当者を見るときは、
「何を質問されたか」
だけではなく、
「自分の話が、その後どう扱われたか」
を見てほしいと思います。
こんな担当者なら、僕は相談を続けてみたい
僕自身の経験から考えると、次のような担当者なら、僕は相談を続けてみたいと思います。
転職理由を聞いてくれる。
これまでの経験を掘り下げてくれる。
希望条件だけでなく、その理由を理解しようとしてくれる。
求人を紹介するときに、「なぜこの求人なのか」を説明してくれる。
難しい条件についても、耳当たりのいいことだけを言わない。
そして、こちらの話を聞いたうえで、
「あなたの場合は、ここが強みになりそうです」
と、自分では見えていなかった部分を教えてくれる。
全部できる担当者でなければいけない、という意味ではありません。
人間ですから、合う・合わないもあります。
僕が言いたいのは、
「この人は、自分のことを理解しようとしている」
と感じられるかどうかです。
逆に、「この担当者とは少し違うかも」と感じたら
反対に、
こちらの話をあまり聞かない。
経歴だけを見て、仕事を決めつける。
希望を伝えても、何度も違う求人を紹介してくる。
求人を紹介する理由を聞いても、具体的な説明がない。
こちらが疑問を持っているのに、応募だけを急かされる。
こういうことが何度も続くなら、少し立ち止まってもいいと思います。
もちろん、一度の面談だけで判断する必要はありません。
担当者も忙しいでしょうし、こちらの伝え方が足りない場合もあります。
だから、
「一回合わなかったから、この人はダメ」
と決めつける必要はない。
でも、何度話しても、
「どうも自分のことを分かってもらえていない」
という感覚が消えないなら、その違和感は無視しないほうがいいと思います。
「担当者を変えてほしい」と言っていい
ここは、50代の人ほど遠慮してしまうところかもしれません。
「求人を紹介してもらっているんだから、担当者に文句を言うのは悪い」
「こんなことを言ったら、仕事を紹介してもらえなくなるんじゃないか」
そんなふうに考えてしまう。
僕も、最初から「担当者を選ぼう」なんて考えていませんでした。
でも、よく考えてみれば、転職するのは自分です。
担当者が転職するわけではありません。
これから働く会社を選ぶのも自分。
その仕事で働くのも自分。
だったら、相談する相手についても、
「自分に合うかどうか」
を考えていいはずです。
もし合わないと感じるなら、担当者の変更を相談する方法もあります。
それでも難しければ、別の転職エージェントを利用する方法もあります。
我慢して、その人に相談し続けなければならないわけではありません。
だから、最初から一社に決めなくていい
第15話でも書きましたが、僕は転職エージェントを最初から一社に絞る必要はないと思っています。
ただし、
「たくさん登録すれば、それだけ求人が増えるから」
という理由だけではありません。
僕が複数のエージェントを利用して感じたのは、
「同じ自分を、違う人に見てもらえる」
ということでした。
30年間教員をしてきた。
これは変わりません。
同じ経歴です。
でも、その経歴をどう見るかは、担当者によって違いました。
ある人には「教育経験」に見える。
別の人には「人の話を聞き、問題を整理して対応してきた経験」に見える。
自分では一つの経歴だと思っていたものが、違う角度から見ると別の価値を持っている。
これは、50代で転職する人にとって、かなり大きな意味があると思います。
だから、複数の担当者と話してみる。
その中から、
「この人には相談できる」
と思える人を探す。
僕は、これでいいと思っています。
エージェントに人生を決めてもらう必要はない
ここも、勘違いしないほうがいいところです。
良い担当者に出会ったとしても、その人に転職先を決めてもらうわけではありません。
担当者から、
「あなたなら、この仕事が向いていると思います」
と言われても、最終的に決めるのは自分です。
逆に、
「この求人は難しいと思います」
と言われても、
「なぜ難しいのですか?」
と聞いてみればいい。
その理由を聞いて、自分で判断すればいい。
エージェントは、自分の代わりに人生を決めてくれる人ではありません。
自分では気づいていないことを教えてくれたり、市場から見た自分を教えてくれたりする、
「転職活動の相談相手」
くらいに考えたほうが、僕はうまく使えると思います。
あの頃の僕へ
あの頃の僕は、
「仕事を紹介してもらう立場なんだから、担当者を選ぶなんて考えなくていい」
と思っていた。
50代で仕事を探している。
30年間やってきた教員という仕事を離れる。
自分のほうが、選ばれる側だと思っていました。
だから、紹介された求人に違和感があっても、
「これが自分の市場価値なのかな」
と思ってしまう。
でも、今なら少し違う考え方ができます。
転職エージェントを利用することは、
「仕事を紹介してもらう」
だけではない。
自分の経験を、第三者に見てもらうことでもあります。
だったら、その第三者が、
「この人なら、自分のことを話してもいい」
と思える相手なのかどうかを見ることも大切です。
一人の担当者に、
「あなたには、こういう仕事しかありません」
と言われたとしても、それが自分の価値のすべてではありません。
別の人に話せば、
「その経験なら、こういう仕事も考えられますよ」
と言われるかもしれない。
実際に僕は、4社を利用して、そういう違いを感じました。
だから、あの頃の僕に言うなら、
「担当者を選んでもいいよ」
と言いたい。
転職するのは、自分なんだから。
まとめ|良い担当者を「探す」のではなく、「見つけていく」
50代で転職エージェントを利用するなら、できれば自分のことをきちんと理解してくれる担当者に出会いたい。
これは誰でも同じだと思います。
でも、登録する前から、
「この人なら大丈夫」
と分かるわけではありません。
だから、実際に話してみる。
自分の転職理由を話してみる。
これまでの経験を話してみる。
希望条件を伝えてみる。
そして、その話を担当者がどう受け止め、どう求人やアドバイスに反映してくれるのかを見る。
もし、
「この人は、自分のことを理解しようとしてくれている」
と思えたら、その人に相談していけばいい。
逆に、何度話しても噛み合わないなら、担当者を変えることも考えていい。
別のエージェントを利用してもいい。
僕は4社利用したことで、それを実感しました。
だから、
「良い担当者に出会えるかどうかは運次第」
と考えなくてもいいと思います。
何人かと話してみればいい。
自分の話をどう聞いてくれるのかを見ればいい。
そして、
「この人なら相談できる」
と思える人を、自分で見つけていけばいい。
50代の転職では、求人そのものを見ることも大切です。
でも、その求人を一緒に探してくれる「人」を見ることも、同じくらい大切だと思います。
では、そもそも50代が転職エージェントを利用するとき、どんな会社を候補にすればいいのでしょうか。
次回は、50代の転職で利用しやすい転職エージェントを、それぞれの特徴から比較してみます。
自分に合う「人」に出会うために、まずはどんな選択肢があるのかを整理してみましょう。
ああ、人生は、何度でも立て直せる。
何歳からでも立て直せる。
← 前の記事 【第15話 50代は転職エージェントを使うべきか?】
→ 次の記事 【第17話 50代の転職エージェントはどう選ぶ?|特徴で比較してみた】(執筆中です。お楽しみに!)

